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メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)
メディアを中心とした自己中心的かつ恣意的な情報の取捨選択や操作による「メディア・バイアス」の働き方や実態を明らかにし、それに騙されずに客観的な視点や思考を持つ方法を示す。
世の中には、自己都合を満たすためにセンセーショナルで分かりやすく見せかけて「科学的に正しい」と装ったニセ科学やトンデモ科学者・理論が蔓延しています。これらはメディアや企業・組織・市民団体などによって利用され、そして視聴者・消費者たちも簡単に盲信してしまう傾向があります。このような「科学的な外観」を持つ嘘や怪しげな情報が広まることは、メディアを中心とした情報取捨選択や操作による「メディアバイアス」の存在を明らかにする一方で、そのような情報に騙されない視点や思考方法を提案しています。 本書では問題提起された代表的な事例として、「白インゲン豆ダイエット」「納豆ダイエット」「みのもんた症候群」「中国産野菜残留農薬問題」「フードファディズム(タマネギが糖尿病に良い、リンゴポリフェノールが脂肪吸収を抑制するなど)」「食物繊維と大腸癌の関連性」「環境ホルモン騒動」「化学物質過敏症」「添加物バッシング」「有機・無農薬栽培の安全性」「マイナスイオン効果」「水からの伝言」「遺伝子組み換え大豆の危険性」「バイオ燃料」などが含まれています。 著者は食や農業に関わる健康情報を専門としており、その視点から主に議論されていますが、美容業界など他の業界にも当てはまる内容だと感じます。 メディアには自己浄化能力がないと考える必要があります。したがって、私たちは自分自身で情報を収集し、選択する能力を磨くしかありません。この本は多くの人に読んでもらいたいです。
伊藤 あすか
2023-11-27